8.21.2011

JMT Section Hike 3日目

2010. 7/12

6時20分頃に出発する。今日は、はじめての峠越え。一番低い峠カセドラルパスを越える事になる。ここの峠の標高に雪が残っていると、今後峠越えが大変になる。


いつカセドラルパスを越えたのか分からないぐらいの、小さな峠だった。雪もほとんど残ってなかった。ほっとする。峠の向こうにあるカセドラルピークが美しい。途中、女性のクライマーに会った。カセドラルピークを登ると言う。日本以外の山は、ハイカーとクライマーの境界線がしっかりと分かれている。目的が違う事から装備も異なる。


パスを越えた所にあるカセドラルレイクのほとりで朝食をとる。
あいかわらず蚊は多い。朝食が終わり、トレイルを歩いていると、馬に乗ったレンジャーと出会う。レンジャーに許可証を提示する。許可証の提出を求められたのは、今回これが最初で最後だった。馬はトレイル状に馬糞をたくさん落としていく。


トレイルはとても快適。道が分かりにくい所も、石や木を積んで、どこがトレイルかすぐに分かるようになっている。湿気も少なくからっとしていてとても気持ちが良い。出会うハイカーはみんなショートパンツで気持ち良さそうに歩いている。トォルミーメドゥでは、郵便局で事前に送っておいた食料等荷物を受け取る事になっている。


トォルミーメドゥは道路の脇にある。メドゥとは草原という意味。すばらしく美しい草原。上手く写真に撮れていないのが残念。車にのってくる観光客も大勢いる。ここでPCTとも合流する。郵便局の場所を事前にしっかりと把握しておらず、探すのに手間どってしまった。
時間をロスする。郵便局は道路沿いに、売店、ホットドック屋さんの並びにある。



売店は、トレイルフードも燃料関係も充実している。十分ここで食料補給は出来そうだ。郵便局で荷物を無事受け取る。この2日間で食べた食料を考えると食料が少し多くなりすぎてしまうと感じたので、補給した食料の約半分と、良く乾燥している土地なのでレインパンツと、僕はスポーツタイツ、下着も送り返す事にした。ペタペタしたスポーツタイツが煩わしいと思い履かなくなったのはこの時からだ。ショートパンツだけのほうが気持ちいいのだから仕方が無い。

売店でビール、ホットドックを買う。一般のきれいな観光客とは別に、汚いハイカーの集団がかたまっている。僕らもその集団の近くで休む事にした。話をしてみると中にはPCTハイカーもいる。みんなビールをがんがんに飲んでいて楽しそうだ。
ヨセミテのペールエールはとても美味しく、ペプシなどのソフトドリンクよりも全然安い。ホットドックも十分なボリュームがあって、最高に美味しかった。ずっとここで飲んで泊まりたいと。強く惹かれながらも出発する。雲行きが悪くなってきた。


やがて雷の音を伴って、雨が降り始める。レインケープを羽織る。稜線沿いではなく、風をやりすごせる樹林帯が多い場所ではとても有効的。ケープは下が大きく開いているので風通しも良いし、身体がケープと触れる場所が腕だけに限られるので、普通のレインジャケットのように、徐々に身体全体が湿ってくる不快感も無い。
少し木陰で雨をやり過ごしながら昼寝をする。雨は少しの間降って上がったので、歩き始める。僕らが目指しているアッパーライエル方面に雷を伴う雨雲がまだ停滞しているのが少し不安だ。


渡渉もはじまる。渡渉する場所には、木が倒してあるなど、歩きやすい工夫はしてある事が多い。残雪期に行かれる方はここでご注意いただきたい。トレイルが解けた雪水などで、川のようになっている事がある。トレイルを小川だと勘違いして、トレイルを踏み外してしまう事があった。


本来は、アッパーライエルまで歩く予定だったが、随分と時間をロスしてしまい、ライエルで今夜は泊まる事にした。ここは熊が多くいると言われている。


3日目にして蚊にも少し慣れてくる。川で水を汲み、洗濯をしてタープに干す。毎日誰もいない素晴らしい開放感のある場所で眠れる。日本だとレイのタープが大きすぎてなかなか張れないだろうなと思う。


今夜は、グリーンカレーとチキンラーメン。チキンラーメンが今回の旅で一番のごちそうだったと思う。


3日目にして、ようやくJMTの生活が少しづつではあるが馴染みはじめてくる。疲れもたまりはじめて行程も遅れがちになる。蚊は日が暮れると少なくなり、少し快適になる。

歩行距離17.7km